カレンシルバーとは
タイ北部の山岳地帯に暮らすカレン族が、昔ながらの道具で一つずつ手で打つ銀細工です。 一般的なシルバーアクセサリー(925)より銀の割合が高く、そのぶん柔らかく、独特の白さと鈍い光を持ちます。

カレン族について
カレン族はミャンマーとタイの国境沿いの山岳地帯に暮らす民族です。タイ側では北部のチェンマイ、メーホンソン、 チェンライの周辺に多く住んでいます。銀細工は彼らの暮らしの一部で、装身具や儀礼の道具として代々作られてきました。
作り方は今も素朴です。銀の板や棒を熱し、金槌で叩いて形を作り、鏨(たがね)で模様を刻む。 鋳型に流し込む量産品とは、出来上がりの表情がまったく違います。
925との違い
スターリングシルバー(925)は、銀92.5%に銅などを7.5%混ぜた合金です。銅を入れるのは硬さを出すためで、 細かい爪留めや複雑なデザインには銀の純度を落とした方が都合がいい。逆にカレンシルバーは銀の割合が高いぶん柔らかく、 叩いて延ばす手作業に向いています。
銀は空気中の硫黄分で黒ずみますが、変色の原因の一つは混ぜ物の銅です。 カレンシルバーは銅が少ないため、925より変色がゆるやかです。
刻印がない理由
カレン族の銀には「925」のような純度の刻印がありません。刻印を打つ文化がなかった、というのが理由です。 日本やヨーロッパでは貴金属の品位を証明する制度が長く続いてきましたが、山で暮らす人たちが自分と家族のために作る銀に、 その必要はありませんでした。
そのため、刻印の有無でカレンシルバーの真贋を判断することはできません。 店や仕入元をたどれるかどうかが、実際には一番の手がかりになります。
一つずつ違う
手で打つものなので、同じ品番でも打ち目の粗さ、模様の間隔、わずかな歪みが一点ずつ異なります。 表面の細かな凹凸や、金槌の跡がそのまま残っていることもあります。これは不良ではなく、この銀の性質です。
当社の商品写真は代表例です。届いた品と細部が異なることがあります。 石の脱落や割れなど明らかな不具合は返品・交換で対応します。
柔らかさの扱い
柔らかいので、強い力がかかると変形します。指輪は指に馴染みますが、何度も広げたり縮めたりすると金属が疲れて割れます。 バングルも同じで、着け外しのたびに大きく開くと寿命が縮みます。
指輪は最初から近い号数を選んでください。号数の測り方はこちら。 当社は7号から23号まで取り寄せられますし、合わなければ作り直して交換します。
お手入れ
高純度のぶん変色はゆるやかですが、それでも時間が経てば黒ずみます。 磨き方といぶし仕上げの注意はシルバーのお手入れにまとめています。