シルバーのお手入れ
銀の黒ずみは汚れではなく、表面にできた硫化銀の膜です。腐食して減っているわけではないので、磨けば元の輝きに戻ります。 ただし、いぶし仕上げの品と石が付いた品は、磨き方を間違えると取り返しがつきません。
なぜ黒ずむのか
空気中や汗に含まれる硫黄分が銀と反応して、表面に硫化銀ができます。最初は黄色っぽく、進むと茶色、黒へと変わります。
硫黄分が多いものに触れると早く進みます。
- 温泉(硫黄泉は数分で黒くなります。入浴前に外してください)
- ゴム、輪ゴム、一部の化粧品やヘアケア用品
- ウール、毛皮
- 玉ねぎ、卵など硫黄を含む食品
- 汗(体質によって進みやすさが違います)
基本は乾いた布で拭く
一番大事なのは、外したあとに乾いた柔らかい布で拭くことです。汗や皮脂を残さなければ、黒ずみはかなり遅くなります。 専用のクロスでなくても、眼鏡拭きで構いません。
黒ずんだらシルバークロス
研磨剤を染み込ませた布です。数百円で買えます。黒ずんだ面を軽く往復させれば、ほとんどの黒ずみは落ちます。 力を入れる必要はありません。
クロスは洗わないでください。研磨剤が流れてしまいます。黒くなってきたら使い捨てて新しいものに替えます。
いぶし仕上げの品は磨かない
溝や凹んだ部分が黒く、凸部が光っている品があります。これはわざと硫化させて陰影を出した「いぶし仕上げ」で、 汚れではありません。
全体をクロスで磨くと、この黒が落ちて模様が平坦になります。一度落ちると自分では戻せません。いぶしの品は、光っている面だけを軽く拭いてください。溝には触れないことです。
当社の商品ページには仕上げの種類(手打ち・鋳造・磨き・いぶし)を書いています。
重曹とアルミホイルの方法について
アルミホイルを敷いた容器に重曹と熱湯を入れ、銀を浸す方法が広く紹介されています。 化学的には正しく、硫化銀を銀に戻す反応が起きるので、黒ずみはよく落ちます。
ただし次の品には使わないでください。
- いぶし仕上げ — 黒が全部落ちます
- 石が付いた品 — 熱と薬品で石が変質したり、接着剤が緩んだりします。真珠、琥珀、トルコ石、ラピスラズリは特に弱い
- 他の金属と組み合わせた品 — 真鍮や革のパーツが傷みます
装飾のないシンプルな銀だけの品に限って使える方法だと考えてください。 迷ったらクロスで磨くのが安全です。
しつこい黒ずみ
クロスで落ちない場合は、シルバー用のクリーナー液があります。液に浸すタイプは効きますが、 いぶし仕上げと石付きには同じ注意が必要です。浸す時間は説明書きより短めから試してください。
彫りの深い模様の中や、鎖の隙間は、柔らかい歯ブラシに中性洗剤をつけて洗い、よくすすいで完全に乾かします。
保管
空気に触れる時間が長いほど黒ずみます。長く使わない品は、小さいジッパー袋に入れて空気を抜いて保管してください。 これだけでかなり違います。変色防止シートを一緒に入れるとさらに持ちます。
複数の品を同じ袋に入れると擦れて傷が付きます。一点ずつ分けてください。
着けている方が黒ずまない
毎日着けている銀は、衣服や肌に触れて自然に磨かれるので、しまい込んでいるものより黒ずみません。 使うことが一番の手入れです。